同じ「営業」とは言え、海外営業は国内営業と、
(1) 文字通り、相手は海の外にいる
・日本列島も南北に長いが、
気軽に「ちょっと伺います」
・相手の素性やマーケットの情報など、圧倒的に情報が足りない。
・「集金」と言っても、本当に払ってくれるか、
・ある程度のロットがまとまらないと採算に乗らない場合が多く、取引き金額も高額となる。
→そのための対応:海外信用調査、貿易保険、前払い、L/C取引、保険契約など。
(2) 時間が違う
・東南アジアであれば日本との時差はプラスマイナス2時間程度だが、相手がアメリカやヨーロッパであれば、
海外営業部では朝出社すると、外回りから帰ってきたロスから連絡が入る。 日本が夕方になる頃に朝を迎えるフランクフルトのドイツ現地法人スタッフとのやりとりが始まる。
→そのための対応:メールによる連絡、テレビ会議
(3) 言葉が違う
・こちらは日本語、相手は英語、中国語、ドイツ語、
→そのための対応:基本的には国際ビジネスのデファクトスタンダードは英語(と思う)。
(4) 政治体制・法律・制度が違う
・国内営業であれば、
・相手が海外の場合、規制する法律やルール、商習慣、労働慣行が異なるため、厄介。
・いわゆるカントリーリスク。
・国際税務:
移転価格税制(ex独立企業間価格)、海外寄付金として日本の税務当局から認定、PE認定
→そのための対応:英文契約書の知識、ウィーン売買条約、仲裁、国際的取り決めへの理解など。
(5) 通貨が違う
・ドル建て、
→そのための対応:円建て決済の交渉、為替予約など。
(6) 「貿易実務」というペーパーワークがある
・国内の出荷であれば、トラック便や宅配便を仕立てればよいが、海外営業の場合は「輸出」という手続きが必要。
・海外との取引の場合、モノ(貨物)の流れ、カネ(金)の流れ、書類の流れが一致しない。
更に船便の場合はB/L(船荷証券)という、超重要書類がある。
→そのための対応:インコタームズなど。
(7) そして何より、考え方が違う
・歴史、宗教、文化、商慣習による価値観の違いから、こちらの常識が全く通用しない場合もある。