輸出金融

船積み前金融
(1) つなぎ融資→輸出売買契約成立前の見込み生産などを目的とした銀行の融資。通常の融資と同じ。インパクト・ローンによる融資もある。
(2) 輸出前貸→輸出売買契約後に、輸出者が受注品の材料を国内仕入れ等するために、輸出者が約束手形を銀行に差し入れて貸付を受ける。国内単名手形貸付と変りない。

船積後金融
(1) L/C付き輸出荷為替手形の買取も、銀行が荷為替決済入金するまで資金建て替えの形になるので、輸出者に対するいわば融資と言える。
(2) L/Cなし荷為替手形の買取(銀行は基本的にはやらない。)

・インボイス・ディスカウント後払いT.T. Remittance の輸出債権と船積書類等を買戻遡求権付きで銀行が買い取る。支払いは直接銀行の指定口座になされる。

(3) at 60 days after sightの起算点は、L/C発行銀行が書類を受領した日の翌日から。(ISBP B5)

 

リファンドボンド

輸出荷物代金を前受した場合、輸出者の責めによる事由で契約が履行されなかったとき、輸出者の取引が当該前受金の返還を海外の輸入者に対して保証するもの。一般に納期がかかる場合や代金が高額となる場合に用いられる。

どのようなケースにおいて銀行に前払金返還保証義務が発生するか、返還時の金利などが論点となる。

一定の理由で海外の輸入者に契約解除権が発生し、契約が解除されて前受け金の返還を求められる場合、

売買契約で契約解除権が明記されてないが、輸入者が前払い返還請求をする場合などが考えられる。

不可抗力の範囲が争点となる場合も考えられる。

 

インパクトローン(外貨貸付)

(1) 対象:日本の銀行が国内の取引先(輸出者) に対して行う、外貨貸付

(2) 資金の使途等:資金の使途、通貨の種類、融資金額、金利などについての資金の使途制限がない。船積み前金融に利用される場合もある。

(3) 貸付先企業が倒産した場合: 銀行は、貸付先の円預金、外貨預金と相殺できるが、銀行にとっては金銭消費貸借による貸付けによる国内取引先企業への与信行為となるので、審査が必要となる。

(4) 貸付通貨の種類:銀行が調達可能な主要通貨すべてが利用可能。

(5) 金利:LIBOR(ライボー・ロンドン銀行間金利)などの外貨調達コストに、銀行の利ざや(スプレッド)を上乗せして、銀行が自由に決められる。

(6) 利息:1年を360日で計算、満期日に元金・金利を回収。

(7) 銀行からインパクトローンを受けることによるメリット

 ①輸出債権などの為替リスク回避のため、中長期のインパクト・ローンを利用する場合がある。

 ②利息後払い。

 ③資金調達の多様化。

(8) 邦銀や在日外銀がインパクトローンの原資を調達する場合、その大部分をユーロマネー市場などからの短期資金借入れに頼る場合が多い。インパクトローンの金利体系などの貸し付け条件は、ユーロマネー市場の取引慣行を反映している。

(9) 外為法上の資本取引に関する事後報告は不要とされている。

 

フォーフェィティング

ユーザンス付き信用状(L/C)をともなう輸出債権を、輸出者への買い戻し請求権なし(ノンリコース) に銀行に買取ってもらう。

通常は開設銀行が引き受けた後にフォーフェィト処理を行う。

L/C発行銀行の知らないところで実行される。

インボイス・ディスカウント

後払いT.T. Remittance の輸出債権を、輸出者への買戻遡求権なしで銀行が買い取るもの。支払いは直接銀行の指定口座になされる。