マーケティングの手順
RSTPMM
リサーチの結果から自社の戦場をSTP(S:セグメンテーション・T:ターゲッティング・P:ポジショニング)で細かく分析、推定して、次のプロセスであるMM((M)マーケティング(M)ミックス)の4Pで具体的な戦術に落としていく。
0. 海外展開目的の決定
(1) 海外展開の目的を定める。「なぜ海外なのか?」
(2) 海外でいくら位売りたいか? 現在の企業規模や生産能力からして妥当な売上額か?
1. Research
事前調査: どこの国の誰をターゲットにして、何を売るのか、売れそうか。
売れないリスクを軽減
(1) マクロ環境分析 (業界を取り巻く外部環境。個別企業ではコントロールできない。)
PEST: Politics, Economy, Society, Technology →海外展開目的に相応しい国を決める。
① Politics
・時の政権の基本政策、外交政策、経済政策
② Economy
・経済成長率、失業率、消費者物価指数などの経済指標
③ Society
・総人口、地域別人口、世代別人口、出生率
④ Technology
・新しい技術、規格の制度化
(2) ミクロ環境分析 (業界内環境分析) 事実・データに基づいて分析する。
① 3C分析
・Customers:顧客分析 (需要はあるか?)
海外展開候補国の顧客が現在使っているもの、買っているものは何か。
それらは顧客のどんな不満や不便を満たしているのか。
市場規模:顕在販売総額・販売数量、潜在販売総額・販売数量 (フェルミ推定) 拡大傾向?縮小傾向?
購買に影響しうる要因:色、味、デザイン、性能、価格、性能、アフターサービスなど
↓
・Competitors:競合の企業・商品を調べる。
参入しているライバル企業の体制・人・物・金、顧客、販売方法、強み・弱み
ポジショニングマップで競合と差別化しうる部分を見つけることができるか。 (違う土俵で戦う)
自社は顧客の不満や不便をどのように解消できるのか。
自社はライバルよりどの点で優れているか。
↓
・Company: 自社のコアコンピテンス
まず、国内市場で自社の製品が受け入れられているのはなぜか?
注:日本ならではの法律、文化、嗜好で売れている場合、海外で通用するかは要検討。
不満や不便なら、海外で売れないかもしれない....
自社の強み:自社はどんな優位性・どんな価値を海外顧客にアピールできるか?
模倣されない可能性、移動可能性(応用の効く強み)、
代替されない可能性、希少性、耐久性(強みが長期間継続しうる)
↓
どういう顧客のどういう需要を狙うか」という仮説を作る。
(消)ペルソナを設定。
アジア向け日本製品の場合、欧米の「高級品」と同等のブランド力で富裕層は困難。中間層を狙う。
(産) 具体的に売り込みたい現地企業を設定し自社製品で問題解決できるか、出入り業者を調べる。
② 5フォース・モデル
・業界内競合
・代替品の脅威
・新規参入の脅威 (参入障壁:規模の経済、巨額の投資、差別化、チャネル確保、仕入先変更コスト)
・売り手の交渉力
・買い手の交渉力
(4) SWOT
・抽象的ではなく、具体的な根拠を数字を用いて列挙する。
機会 外部環境 「外部環境は~なので、 ~すれば、もっと売れる」 という可能性を列挙 ・PEST、5フォース、3C |
脅威 外部環境 ・PEST ・5フォース ・3C |
|
強み 内部環境 ・「機会を捉えることのできる」 という意味での強みであって、 単なる「良い点」ではない。 ・made in Japanだけでは強 みにならない |
積極化 ここを伸ばす。 ・自社の強みをそのまま生かせる マーケットか? |
差別化 |
弱み 内部環境 |
弱点強化 |
ここを回避する。 防衛または撤退。 |
基本戦略
2. Segmentation
顧客:アバウトに顧客をセグメントする。→ペルソナを設定→カスタマージャーニー
(1) 市場細分化の切り口:地理、人口統計、心理、行動変数
セグメント化(主にBtoC) デモグラフィック基準、サイコグラフィック基準
(2) 細分化された市場セグメントが有効であるための4要件
・測定可能性:そのセグメントの市場規模や購買力を測定できるか
・到達可能性:そのセグメントに効果的なMMを行いうるか
・維持可能性(実質性):利益を上げられる程の市場規模がある
・実行可能性:そのセグメントで効果的なMMを実行しうる経営資源が自社にあるか
(3) 細分化された市場セグメントの選定
・拡大が見込まれるか
・自社の強みが発揮できるか
・製品ライフスタイル
・競合
・参入障壁
3. Targeting
細分化(セグメント化)したうちの、どこに自社のマーケティング資源を集中するかを決定すること。
・集中型 (1つのセグメントに集中)
・選択的 (複数のセグメントを対象とする)
4. Positioning
・消費者の意識の中で占めている(消費者が知覚している)自社製品に対する位置づけを、ポジショニング・マップにプロット。
・他社と異なる自社の位置づけを訴求。
具体的施策
5. Marketing Mix
下記について自社と競合先を比較
(1) Place
・開放的、選択的、専属的、統合的
(2) Product
・製品の核、製品の形態、製品の付随機能
・物理的差異、イメージ差異、サービス差異
・PLC
(3) Price
(4) Promotion
・AIDMA
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(5) Physical Evidence
(6) Participants 顧客
(7) Process
1. 商流は下記の3つがある。価格の提示方法要注意。
①直販
②ディストリビューター
③セールスレップ
2. ディストリビュータの開拓方法
・展示会等
・(産)自社製品を使う前後工程の製品を扱っているディストリビューターにコンタクト、日本から移設した機器のメンテ外注先にコンタクト、具体的なターゲット企業を決め、そこに出入りしている業者を調べる、SNSのプロフィールを調べる。
3. 販路開拓をする現地ディストリビューターのスタンスの提案。
(1) おいしいとかデザインが良いとか、消費者向けの売り言葉ではなく、当社の商品を扱ったらディストリビューターとしてどのようなメリット(売上拡大、利益拡大等)があるかを訴求する。
(2) 上記(1)を説明する営業資料の作成
(3) Distributorship Agreement
・業務の範囲:プロモーション、在庫保有、営業、代金回収、配送、据付・メンテナンス
・販売エリア (日系企業など直接アプローチできるところは除く、など。)
・プロモーション経費負担の範囲:カタログ等販促物、展示会、媒体広告など
・規制官庁への申請名義
・販売ノルマ
・契約年数、契約解除
・契約終了後の業務、在庫移管
独占販売権の考え方
(4) ディストリビュータに対しては受け身で売り上げを待っていてはダメ。
売上管理の方法
(5) ディストリビュータの切り方
コトラーの製品の概念
(1) 製品の核
(2) 製品の形態
(3) 製品の付随機能
(消) 売り場から逆算、ペルソナの設定
PPM Product Portfolio Management
高 相対的マーケットシェア | 低 相対的マーケットシェア | |
市場成長率 高 | 花 形 |
問題児 (金のなる木の資金で花形へ) |
市場成長率 低 | 金のなる木 | 負け犬 |
輸入規制・知財
① 安全規制:FDA, CE, UL, ANSI, DIN, RoHS, REACH, 食品成分や残留農薬等、ラベル表示など
② 環境保護の規制
③ 国際産業保護の規制
④ 既存の商標、意匠、特許など
⑤ その国では売れないものもある(食品など)→事前教示
ネット広告の効果測定
1. CVR Conversion Rate Web広告閲覧後一定のアクション
2. CTR Click Through Rate 広告のクリック数
製品ローンチ後の対策
PLC
(1)導入期
・製品認知度低
・プロモーション費かけ販路、顧客開拓
・赤字
・買うのはイノベーター
(2)成長期
・売上拡大、利益大。
・競合他社参入
・市場浸透戦略 by 差別化
・買うのはオピニオンリーダー(アーリーアダプター) → アーリーマジョリティー
(3)成熟期
・売り上げ鈍化、低成長
・買換え需要、買増し需要
・製品イメージ・ブランド力重視
・成熟期の維持→ライフサイクル・エクステンション
by ①製品修正、②市場修正、③マーケティングミックス修正
・買うのはレイトマジョリティー
(4)衰退期
・製品の再活性化
・買うのはラガード