1.関税とは
・関税は、歴史的には古代都市国家における手数料に始まり、内国関税、国境関税というような変遷を経てきたが、今日では一般に「輸入品に課される税」として定義されている。
・関税が課せられると、その分だけコストが増加し、国産品に対して競争力が低下することから、関税の国内産業保護という機能が生まれ、現在では、この産業保護が重要な関税の機能となっている。
(出所:財務省HP https://www.mof.go.jp/customs_tariff/summary/index.html を一部改変)
2.GATT (関税及び貿易に関する一般協定)
1. 1929年世界恐慌→ブロック経済→世界的な経済の停滞→第2次世界大戦
戦後この反省を踏まえ、貿易自由化により経済を発展させる取り組みがはじまった。
2. 第2次大戦後、世界的にモノの自由貿易を推進するため、GATT(General Agreement on Tariffs and Trade:関税と貿易に関する一般協定)=国際協定(条約)締結(1948年)。
・ガットは協定の名前であり、正式な国際機関ではなかった。
3. 基本的な原則 (WTOにも引き継がれている)
・最恵国待遇の原則:特定の国を差別したり優遇しないで、すべての国に、他の国に与えている条件よりも不利にならない条件で協定を結ばなければならない。
・内国民待遇の原則:輸入品を税制や国内規制の適用面で、国産品に比べて不利に扱わないという原則。
・譲許表:参加国全体に適用される関税率表
4. 多角的貿易交渉(ラウンド)
加盟国が2国間で関税交渉するのは非効率。多数国間で話し合い、関税水準を一括して引き下げる交渉。
・ウルグアイ・ラウンド(1986年 - 1994年)
関税化:輸入規制の手段を、数量規制ではなく、ともかく関税を払えば輸入はできることとした。
農産物交渉(日本:コメ(ミニマム・アクセス米)、小麦、乳製品、オレンジ、牛肉など)
5. その後、貿易摩擦による2国間交渉の増加、サービス貿易、知的財産権等新たな課題も含め、WTOに承継。
3.WTO World Trade Organization(世界貿易機関)
1. 沿革
・目的:関税その他の貿易障害を実質的に軽減し、及び国際貿易関係における差別待遇を廃止。
2. いわゆる「WTO協定」:「世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(通称:WTO設立協定)」及びその付属書に含まれている協定の集合体。国内法に優先。
3. 付属書
附属書1~3 (まとめて「多角的貿易協定」) はWTO設立協定と不可分の一部で、すべての加盟国を拘束。WTO設立協定と附属書1~3の全てを受諾しないとWTO加盟国になれない。
(1) 付属書1
・附属書 1A:物品の貿易に関する多角的協定
(A)1994年の関税及び貿易に関する一般協定 (通称:1994年版ガット。従いWTOによりGATTが廃止になったわけではない)
(B) 農業協定 ex 関税割当品目
(C) 衛生・植物検疫措置の適用に関する協定(通称:SPS協定)ex.偶蹄類の動物 ・WTO上級委員会は2003年11月26日、 米国から輸入するリンゴに対する日本の検疫制度は十分な科学的根拠を欠き厳しすぎるとしてSPS違反とする米国の主張を認めた。
(D) 繊維及び繊維製品(衣類を含む)に関する協定(通称:繊維協定 ATC)
・ 日米政府間の協定で実施されていた我国からの米国向け繊維製品のビザ制度は、WTOの繊維協定がGATTに統合したことから2005/1/1より廃止された。
(E) 貿易の技術的障害に関する協定(通称:TBT協定) ex 工業標準化法
(F) 貿易に関連する投資措置に関する協定(通称:TRIMs協定) Trade Related Investment Measures 投資に関する制限を明示的に禁止。ローカルコンテント比率引き上げ要求、輸出入を均衡させる事を求める要求、出資比率成約、外国送金規制。
(G) 1994年の関税及び貿易に関する一般協定第6条の実施に関する協定(通称:アンチダンピング協定)
(H) 1994年の関税及び貿易に関する一般協定第7条の実施に関する協定(通称:関税評価協定)
(I) 船積前検査協定 (PSI) ex国際的検査機関
(J) 原産地規則に関する協定
(K) 輸入許可手続協定 ex 輸入承認制度
(L) 補助金及び相殺措置協定→相殺関税
(M) セーフガード協定→緊急輸入制限、緊急関税
「緊急輸入制限措置」輸入品の急増で国内産業が大きな損害を受けることを回避するためWTOで認められている措置
①海外から不当に安い製品が輸入されてきた場合に、日本企業が政府に対して対抗措置として反ダンピング(不当廉売)課税を申請→政府が不当輸出かを判断→これに不満な外国企業は自国政府に不服を申し立て、自国政府がWTOに紛争解決を要請できる。
②輸入量制限
(2) 附属書 1B:サービス貿易に関する一般協定(通称:GATS) サービス貿易における最大の障害である各国政府の規制を軽減することにより、3つの原則である最恵国待遇、市場アクセス、内国民待遇を実現してサービス貿易の国際的な拡大を目指す。
(3) 附属書 1C:知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(通称:TRIPs協定)
(4) 附属書 2:紛争解決に係る規則及び手続に関する了解(通称:紛争解決了解)
(5) 附属書 3:貿易政策検討制度(TPRM)
(6) 附属書 4:複数国間貿易協定は、受諾国にのみ適用される。
3. WTOにおける紛争解決 「WTOに提訴」
① 2国間協議を要請
② DSB (Dispute Settlement Body)にパネル(案件を審理する小委員会)の設置は、
ネガティブ・コンセンサス方式 : 全会一致で反対されなければ設置。
③ パネル報告に不服→上級委員会に上訴
(例) 2019年4月、WTOの上級委員会は、韓国による福島など8県産の水産物輸入禁止措置を
不当とした紛争処理小委員会(パネル)の一審判断を破棄し、韓国の措置を妥当と判決。
④ WTO違反と認定された場合、被提訴国に是正勧告、WTO協定違反の措置を廃止・是正する義務を負う。
⑤ 勧告が実施されない場合、報復的な関税引き上げなど対抗措置をとることができる。
4.WTOからFTA/EPA、そして地域間交渉へ
1. WTOの停滞
世界の貿易ルールを決めるWTO(世界貿易機関)は、161の国と地域の「全会一致」が原則。
しかし、先進国と途上国が対立し、2001年から開始した交渉(WTOドーハラウンド)は停滞。
2. FTA、EPA
(1) そこで、「二国間での交渉」が主流に。関税の撤廃・削減を定めるFTA(自由貿易協定)や、関税だけでなく知的財産の保護や投資ルールの整備なども含めたEPA(経済連携協定)がそれ。
・世界全体では発効済、暫定適用のもので309件ある。(2018年12月現在、JETRO調べ)
・日本は、シンガポールとのEPAが初めて(2002年)
(2) その後、二国間の交渉を続けるのは非効率。そこで、地域でまとまって交渉する動きがでてきた。
(3) 日本のEPA
FTA等の現状 (令和5年12月22日現在、外務省HP)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/index.html
①発効済・署名済▶21
シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、ASEAN全体、フィリピン、スイス、ベトナム、インド、ペルー、オーストラリア、モンゴル、TPP12(署名済)、
TPP11、日EU・EPA、米国、英国、RCEP
②交渉中▶3
トルコ、コロンビア、日中韓、GCC(注:2024年に交渉再開予定。)
③その他(交渉中断中)
韓国、カナダ
5.FTA(GATT第24条及びGATS(サービス貿易に関する一般協定)第5条にて定義される協定)
FTAは2国間、複数国間で関税の撤廃等を行う合意であるため、最恵国待遇の原則に本来反するが、WTOは一定の条件を付けて認めている。
(1) GATT第24条
地域貿易協定:域外への障壁を高めないことを条件に
・関税同盟 ・自由貿易地域 ・それらを形成するための中間協定 を認め、域内の関税、通商規則の撤廃を図ることを、最恵国待遇原則の例外として認めたもの。
(2) 関税同盟とは:
地域協定の加盟国の各構成国が、関税その他の制限的通商規則を構成地域間では廃止、非加盟地域との貿易には共通の域外関税を適用する ex EU。
(3) 非関税型の地域協定(自由貿易地域)とは:
関税その他の制限的通商規則を構成地域間では廃止、非加盟国に対しては各国の関税、通商規則を適用→我が国のすすめるFTAなど。
EPA(Economic Partnership Agreement)
FTAように貿易に関する障壁を撤廃するだけでなく、貿易および投資の円滑化、投資の自由化、中小企業振興や人材育成などさまざまな分野における二国間協力などを含む。和製造語。FTAといっても貿易のみならず広範な経済連携を包含することもあり、FTAとはほぼ同義。
(20190505)
6.FTA/EPAの利用
1. 通常、貨物(FTA/EPAでは「産品」と言っているが、ここでは理解の便宜上「貨物」とする)の輸出入を行う際、輸入側の国が定める関税(国定税率) を支払う必要がある。
WTO協定では、WTO加盟国・地域に対して一定率以上の関税を課さないことを約束する「WTO協定税率」が定められており、その税率が国定税率より低い場合、WTO全加盟国・地域からの貨物に対して等しく適用される。(国定税率とWTO協定税率のいずれか低い税率は、実行最恵国関税率(=MFN(Most Favored Nation)税率と呼ばれる。)
EPA/FTAでは、MFN税率よりも低い関税率(EPA/FTA特恵関税率)が規定されており、原産地規則等の条件を満たすことにより、EPA/FTAを締結していない他の国よりも低い税率で輸入することが可能となる。
(出所:https://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/epa/faq/ を一部改)
たとえば日本からベトナムへ機械部品を輸出する場合、ある品目に対して通常であれば現地輸入時に20%の関税がかかるとする。それが、FTA/EPAを締結すれば関税が免除される場合、価格面での競争力が事実上20%優位に立つことができる。
しかし、そういった関税の優遇(FTA/EPA特恵関税率) は自動的に適用されるわけではない。
また、日本とベトナムとの間では「日越EPA協定」、「日ASEAN包括的経済連携協定(ベトナムも加盟国)」、「TPP11 (ベトナムも加盟国)」の3本の協定があり、それぞれの協定で品目ごとに、関税率、関税率引き下げのペース(即時撤廃、段階的に削減しいずれ撤廃、段階的に削減するもの、除外されるものなど)、原産地適合の要件、その他手続きが微妙に異なっている。
したがって、どの協定を使うのが最も有利かを、適用される特恵関税率や原産地規則等を比較して上検討する必要がある。
2. 貨物の輸出入時にFTA/EPA特恵関税率の適用を受けるには、各協定に定められた手続が必要となる。
(1)利用条件を確認
① 相手国との間でEPAが発効していること。
② 輸出する貨物に対応するHSコードに、EPA特恵関税率が設定されていること。
③ 輸出する貨物に対応するHSコード毎に定められた原産地規則を、輸出貨物が満たしていること。
(出所:https://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/epa/faq/ を一部改)
(20190506)
7.FTA/EPA利用の流れ
(1) 輸出先国を確認する:輸出国・輸入国双方が加盟しているFTA/EPA協定があるか?
(2) HSコード:対象貨物のHSコードを確認する。
(3) 譲許表:輸出先国について利用可能なFTA/EPA協定の譲許表を参照し、輸出する貨物のHSコードの該当箇所から関税率を確認する。
(4) 原産性:各協定に示されている原産地要件を確認し、輸出する貨物がそれに適合するかを確認する。
(5) 利用する協定の選定:複数の協定を利用できる場合は、どの協定を利用するのが有効を、買主と相談して決定。
(6) 原産地証明の準備
(7) 事後検認ヘの対応
8. HSコード
HS条約 (Harmonized Commodity Description and Coding System)で定められた、商品の国際分類番号。
最初の6桁が世界共通。このHSコードに対応して、各国が輸入関税を定めている。
8 70870.000
類(上2桁) 項(上4桁) 号(上6桁) 各国独自の統計区分
Chapter Heading Sub heading Statistical Code
<---------世界共通(6桁)------->
HSコードは5年毎に改訂され、各EPAに適用されるHSコードの基準年は異なっている。TPP11は2012年版、日EU・EPAは2017年版、日本メキシコEPAは2006年版など。
国により、同じ商品でも分類されるHSコードの解釈が異なる場合がある。輸入地側での確認が必要。
EPAの実務においては、EPAを使用しないで現地で輸入する場合の関税率を確認するための輸入国の現行のHSコードと、EPAを利用した場合の関税率や原産地規則を確認するため、使おうとしているEPAで採用されている年版のHSコードの2つを特定する必要がある。
9.原産地基準
EPAの恩恵を受けるためには、原産地基準を満たす必要がある。
(1) 完全生産品
野菜、果物、魚、鉱物資源など
原産国で生まれた家畜、収穫された農作物、採取された農作物、狩猟により魚介類など、
生産がその国手完結しているもの。
(2) 現産品材料のみから生産された産品
産品は輸出国の原産材料のみから生産されているが、その原産材料の材料に、他の国の材料(非原産材料)
が使われているもの
他の国の材料---->他の国から輸入して輸出国で加工して材料----->輸出国で製品として加工
(3) 品目別規則を満たす産品 (多くの工業製品)
EPA相手国以外で生産された材料(非原産品)を材料として生産し、それをEPA相手国に輸出する場合に、EPA相手国での関税が免除されるためには、産品のHSコード毎に各協定で決められている、非原産品材料から実質的に変更になっている基準を満たす必要がある。その基準を、品目別規則PSR : Product Specific Rules という。
他の国の材料---->他の国から輸入して輸出国で加工して材料----->輸出国で製品として加工
・関税分類変更基準:HSコードの分類番号が変更になる場合。CTCルール。
CC: 上2桁、CTH: 上4桁、CTSH:6桁
・付加価値基準:原産資格割合(付加された価値の割合)が例えば40%以上であること。 VAルール。
・加工工程基準:非原材料に混合・加熱等を加え実質的に変更があったこと。化学品など。 SPルール。
適用される基準はEPAごと、かつ、品目ごとに異なる。
原産地規則ポータル https://www.customs.go.jp/roo/
10.品目別規則
(1) CTCルール:関税分類変更基準
非原産材料のHSコードが、生産工程を経て別の製品に加工され、出来上がった製品のHSコードが異なるものとなれば原産品とするルール。
・HSコードの上2桁(CC:類変更)、4桁(CTH:項変更)、6桁(CTSH:号変更~これが一番ハードルが低い)
(2) VAルール:付加価値基準
・控除方式(一般的)
・積み上げ方式 : 労務費、製造形式、販促費・輸送費、利益は計上できない。材料費の割合が大きいほど有利。
・重点価額方式
・純費用方式(自動車関連品目のみ)
(3) SPルール :加工工程基準
・RCEPでは、化学品。 化学式が違っていればよい。
11.原産地基準を満たさない場合の救済規定
(各協定個別に定めれれている。下記は一般論。)
(1) 累積
関税分類変更基準、付加価値基準で使える救済規定。
同じEPA締約国の原産部品・材料を利用して製品を作った場合、それらの部品・材料も自国産としてカウントできる規定。
(2) ロールアップ
付加価値基準で計算する場合、一次材料が原産資格アリとする場合に、その中にある非原産部分も"総取り"して原産材料としてカウントできる規定。これを使えば、原産部分として計算される割合が多くなり、付加価値基準を満たしやすくなる。
(3) トレーシング
付加価値基準で計算する場合、一次材料が原産資格がナイ場合でも、その材料全てをカウントから除外するのではなく、その中にある原産部分はカウントしてもよいとする規定。
(4) デミニマス
関税分類変更基準、及び加工工程基準による場合、ごくわずかな非原産材料は無視できる旨の規定。
12.原産地証明書
輸入国での輸入関税を軽減するために輸出者が準備する書類。
(1) 原産地証明書の種類
① Form A : 一般特恵税率制度原産地証明書。一定の開発途上国から日本への輸出(日本から見て輸入)の際に用いる。
② Form D : ASEAN物品貿易協定(ASEAN Trade in Goods Agreement=ATIGA) での貿易に使う原産地証明書。ASEAN各国の担当機関が発行する。
③ 非特恵原産地証明書:WTO協定税率の適用やアンチダンピング税の適用、貿易統計の作成)に用いる。
一般的な原産地証明書で、各地の商工会議所が発行する。
④ 特定原産地証明書:EPAを利用するための原産地証明書
・第1種特定原産地証明書「経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律」に基づき経済産業大臣が指定した指定発給機関である日本商工会議所において発給を受ける。
・第2種特定原産地証明書
日スイスEPA、日ペルーEPA、日メキシコEPA、RCEPは、経済産業大臣の認定を受けた輸出者自らが第二種特定原産地証明書を作成できる認定輸出者制度が導入されている。
⑤ Form E : ACFTA:中国ASEAN自由貿易協定(ASEAN China Free Trade Agreement)に基づいて産品をアセアン諸国から中国に輸出するあるいは中国からアセアン諸国に輸出する際に、輸入国の税関に輸出国政府が発⾏する原産地証明書。日本側を仲介者として、例えば中国→ベトナムの貿易の際に必要となる。商流上のみ第三国(必ずしも締約国である必要はない)を経由する場合、Form Eの原産地証明を輸出国から発給を受ける際、FormE申請時にコラム13にあるThird Party Invoicingにチェックを入れ、経由する会社、国名、(仲介者から仕向け先への)インボイス番号の記入が必要。原産地証明に輸出国のFOB価格を記載する欄があり、これにほり仲介者の買値が買主に分かってしまう。最近は仲介者のインボイス価格の記載を認めている事例あるらしいが、その場合も仲介者のFOB価格であり、輸入者との仕切りがCIPなどである場合は、仲介者のFOB価格が輸入者に判ることとなる。
(2) 原産地証明書の準備
① 第三者証明制度:政府機関等が発給する原産地証明書
② 認定輸出者制度:政府から認定を受けた輸出者がインボイス上での宣誓等により物品の原産性を申告する制度。輸入者は輸出者が作成した原産地申告書を輸入通関で使用する。
③ 自己申告制度
(3) 原産地証明書の補助資料
① 対比表 (CTCルールの場合)
・生産者名
・生産場所
・利用するEPA
・2桁(CC:類変更)、4桁(CTH:項変更)、6桁(CTSH:号変更) の別
・産品のHSコード
・総部品表:各部品ひとつひとつのHSコード
(HSコードは、利用しようとするEPA協定で用いられる年版のものであること)
・CTCルールを満たしていない部品については、満たしていない部品ひとつひとつについて、サプライヤー証明、累積などで原産地性があること、僅少のためCTCルールを満たしていないが救われる旨の数値根拠などを備考欄に記載。
② 計算ワークシート(VAルールの場合) 原価データをもとに付加価値割合を計算するシート
・生産者名
・生産場所
・利用するEPA
・原産地資格割合
・すべての非原産材料の品名と価格をリストアップし、合計
・生産コスト、利益、輸送コスト他チャージも集計
・原産材料も使っている場合はその価格と、それが原産材料である旨のサプライヤー証明等根拠を記載
(これらのためには、総部品表と原価データが必要)
・販売価格(FOB価格なのか、販売価格か)
・算出した原産割合
13. 譲許表
譲許表とは、個別品目の関税撤廃・削減の方法及びスケジュールについて規定された表。
日EU・EPAの場合
CN2017 日EU・EPAは2017年版に準拠
HSコード_Description_Base rate_Category_Note_1st year_ 2nd year_3rd year_4th year_5th year..
Description 品目
Base rate WTO 協定税率 MFN (Most Favoured Nation Treatment、特恵税率) 例7.5%
Category 関税低減、廃止等の進め方のパターンのコード番号
例 B7 毎年均等に削減され、7+1=8回削減後、8年目から税率 0
Note 水産部物など再交渉対象にはS がつく。
N年め税率
・日本からの輸出
締結前 7.5%
1st year 2019/2/1~2020/1/31 1回目下げて 6.6%
2nd year 2020/2/1~2021/1/31 2回目下げて 5.6%
3rd year 2021/2/1~2022/1/31 3回目下げて 4.7%
4th year 2022/2/1~2023/1/31 4回目下げて 3..8%
5th year 2023/2/1~2024/1/31 5回目下げて 2.8%
6th year 2024/2/1~2025/1/31 6回目下げて 1.9%
7th year 2025/2/1~2026/1/31 7回目下げて 0.9%
8th year 2026/2/1~2027/1/31 8回目下げて 0%