インコタームズ(R)

インコタームズ(Incoterms)(R)は国際条約ではなく、国際商業会議所 (International Chamber of Commerce : ICC) が取り決めた物品貿易のルールである。
Incotermsという用語自体、ICCの登録商標となっている。また、Incoterns2020の本文も著作権で保護されている。本文は、日本商工会議所のHPから英和対訳版の注文書をダウンロードして入手されたい。


古い世代には、FOB, C&F, CIFとして親しまれ、「危険負担は本船の手すりを越えた時点」で売主から買主に移転する、として貿易実務の講座では教えられてきた。


今日ではコンテナ船による物流が海上輸送の大半を占め、また、航空機の大型化により比較的大きな機械類も航空輸送が利用されている。ICCでは国際貿易の実情に合わせてインコタームズの見直しを行っているが、最新版が「インコタームズ2020」。

 

なお、例えば米国で使われているFOBとIncotermsとでは、FOBの定義が異なっている。

従って、Sales contract では用語の定義をキチント行なっていたほうがよい。 通常は次のような文言を入れる。

All trade terms such as FOB, CIF, CFR, CIP etc. used herein shall be interpreted in accordance with INCOTERMS 2020.

(20191206) 

 

インコタームス(R) では、

・売主・買主の義務 (売主は買主に対して、売買契約に定めた物品、商業送り状、ならびに契約で要求されている、契約に合致している旨のその他の証拠を提供しなければならない、買主は売主に対して、物品の代金を、売買契約に取り決めた時期・方法にしたがって支払わなければならない、など)

・危険負担の境界

・費用負担 (どの費用をどちらが払うか)

は定めているが、

・売買契約の存在やその有効性までは定めていない。

・契約に適合しない場合のことまでは定めていない。

・物品の所有権の移転については言及していない。

・不可抗力については定めていない。

売買当事者の免責については定めていない。

EXW (Ex Works)

運送形態に係らず使用可

・工場渡し
・売主が合意期日/期間内に、売主の工場や倉庫などで、貨物を床や地面に置いたまま(積み込まないで)その引取りを買主に委ねるまでは売主の費用と危険負担において準備する。

・輸出国側で貨物の引渡しを行う「積地売買」。

 

・危険負担は、売主が「さあ、買主さん引き取ってください」と、買主の処分に委ねた時点で、買主に移転する。

・買主は集荷の車などを仕立ててそれを引きとりにゆく。通常、売主の敷地で引き渡すなら、積み込み設備などが有るから、売主が積み込みを行ってあげるのが通例だろうが、EXW条件ではそこまでの責任は売主に無い。

売主は、買主の負担と費用で買主が仕立てた車に積み込むことができ、この場合後日積み込み費用の売主の請求書が買主に届くことがある。(売主に集荷の車などに積み込ませたいのならFCA条件を使うほうが良い。)
・売主にとって、もっとも負担が少ない条件である。

 

・輸出通関を行うのは買主である。売主は輸出通関を行う義務は無い。買主(輸入者)が日本に居住していない場合は、買主がフォワーダーの日本法人等を輸出代行者:「関税事務代理人」として輸出を行う。

輸出申告の名義人はこの、関税事務代理人となる。

インボイス上のShipperは通常は売主となる。

この場合輸出許可証は輸出代行者が持っているので、そのままでは輸出者は輸出消費税免税が享受できない。そこで、「消費税輸出免税不適用連絡一覧表」を作成し、輸出代行者に交付、また、輸出許可証の原本(輸出代行会社名義になっている)、インボイス、パッキングリストの写しを輸出代行者から入手する。

参考:国税庁

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/11/01.htm

 

・売主は買主の依頼、危険および費用により、物品の輸出に必要な輸出許可その他公式の認可を買主が取得するにあたり、買主に情報提供し助力を与えなければならない。

・売主の代金回収は通常、T/T ベースとなる。

 (202400505)

  梱包     出荷積込 T搬入 T荷卸     輸出通関 船手配   保険手配 輸入申告 関税 現地配送 荷卸し

EXW

売主

床や地面に置いて

(積み込まずに) 

買主に委ねて

危険が買主へ。

積込:買主手配

(買)  買

FCA (Free CArrier)

運送形態に係らず使用可。

・運送人渡し

・2種類の引渡しパターンがある。

 (1) 売主が合意期日/期間内に、売主の施設以外の場所(ターミナル等) で、買主が指定した運送人に貨物を引き渡す場合、売主が仕立てた輸送手段から物品は荷卸ししないまま、運送人の処分に委ねる。

 

(2) 売主が合意期日/期間内に、売主の施設で、買主が指定した運送人に貨物を運送業者に引き渡す場合、買主が手配した運送業者の車に売主が積み込む。

 

・FOBと似ている、といえば判りやすいだろう。しかしFOBは在来船に用いる。飛行機やコンテナ船の場合はFCAを使う。

・Buyers Consolidation (各調達先からの貨物がLCLであるため、輸出地のフォワーダーが貨物を取りまとめて混載してコンテナに入れてFCLとしバイヤーに送るもの)の場合、FCAが適している。

・表記例:FCA Yokohara では漠然としているので、FCA Taiheiyou Global Logistics Yokohama Warehouse、例えば成田空港発のフライトでFCAで輸出する場合、実際の貨物の搬入先が宇都宮のXYZフォワーダーの貨物ターミナルの場合は、FCA Naritaではなく、FCA Utsunomiya XYZ Terminal といった表記となる。

 

(1) 危険負担

① 買主が指定した貨物ターミナルへ搬入する場合

売主が仕立てた車に荷物を積んだ状態で、荷卸ししないまま貨物ターミナル側に貨物を委ねた時点で、危険負担が買主に移転する。

・船の手配は買主が行いターミナルでの引渡し以降危険負担は買主に移転するが、輸出通関や買主が指定した船への積込みの指示は輸出者がフォーワーダーに対して行うので、B/Lはフォーワーダーから通関費用の請求書とともに輸出者に交付される。(インコタームズ上は、当事者が合意すれば、買主は運送書類を売主に発行するよう運送人に指示しなければならない、とある。)

 

② 売主が、売主の施設で貨物を運送業者に引き渡す場合

買主が手配した運送業者の車に売主が積み込んだ時点で、危険負担が買主に移転する。

 

 

(2) 輸出通関:

① 買主が指定した貨物ターミナルへ搬入する場合→売主

② 売主が、売主の施設で貨物を運送業者に引き渡す場合→買主 (買主が輸出通関書類を作成するため、売主は輸出貨物に関する情報を提供する。)

 

(3) 運送(船や航空機) の手配

①売主が行う義務は無い。買主が行う。

②積み込む船の指定は買主が行う。

・売主が船や航空機の手配をする義務はないのだが、念のためその義務がない旨買主に伝えるか、売買契約に "The contract of carriage shall be made by buyer." など書いておく。

・買主が売主に運送の手配を頼んだり、売主が運送手配を行うことが慣例となっている場合は売主は、買主の費用と危険負担のもとに運送手配を行う。

③実務上は買主からは船会社かフォワーダーの指示だけがあり、貨物出荷のタイミングを見て輸出者が指定された船会社やフォワーダーに「輸入者○○からお宅を使うように連絡を受けている」とコンタクトして船腹予約することが多い。

 

④ FCAでは実際に船に積んだわけではないので、B/Lは「受取B/L(Received B/L)となる。Received B/Lでは実際に船に積まれた旨が確認できず、L/C決済のために銀行がかようなB/Lを受け取っても貨物に対する担保が確認できないので、実際に船に積んだことを示す「onboard notationの」ついたB/Lを売主が入手する必要がある。売主買主合意があれば、買主は船会社に積込み済み付記(onboard notation)のある B/Lを売主宛に発行するよう指示しなければならない。

 

(4) 保険の手配

売主買主とも付保の義務は無いが、引渡し前に発生した貨物の損害に対して、通常は売主が自分のために付保する(いわゆる輸出FOB保険)であろう。また、買主は引渡し以降の部分について付保するであろう。

 

(5) 仕向地での輸入通関:売主が行う義務は無い。買主が行う。

(20240413)

  梱包  出荷積込 T搬入 T荷卸     輸出通関 船手配   保険手配 輸入申告 関税 現地配送 荷卸し

FCA Forwarder's

Warehouse

   売

・車上で委ねて危険移転

・買主がトラックからの荷卸し手配

(買)

FCA Sellar's

Warehouse

・売主が買主手配の輸送手段に積込。

・積込後危険負担は買主

(買)  買

CPT (Carriage Paid To)

運送形態に係らず使用可。

・輸送費込み

・CFRと似ている、といえば判りやすいだろう。しかしCFR (インコタームズでは1990年版からCFR、その前がC&Fと表現)があるが、CFRは在来船向け。飛行機やコンテナ船ではこのCPTを用いる。

CPT Bangkok US$100,000 などと表現するが、運賃はBangkokまではカバーされるが、危険負担はBangkokまでではなく、日本のコンテナターミナルまでである。

・輸出国側で貨物の引渡しを行う「積地売買」。

 

 ①危険負担

原文(英文)では、FCAの様に明快に場合分けして書かれていない。handing them (goods) over to the carrier と表現されているが、場合分けとしてはFCAと同様と解される。

・売主が、売主の敷地で貨物を運送業者に引き渡す場合は、売主自らが手配した運送業者の車に売主が積み込んだ時点で、危険負担が買主に移転する。

・売主が貨物ターミナルへ搬入する場合は、売主が貨物ターミナルへ自ら選び、そこに売主が仕立てた車の上で荷卸しをしない状態で、貨物ターミナル側に貨物を委ねた時点で危険負担が買主に移転する。

・つまり売主が選んだフォワーダーに引き渡した以降輸出国内で万一貨物が損傷した場合、保険かけていなければ買主が丸損、買主が保険かけて入ればその求償手続きは買主が行うことになる。

②輸出通関:売主が輸出通関を行う。

③運送の手配や保険の手配

・売主が目的地までの運送の手配、運賃の支払いを行う。

・引渡し後の危険負担は買主が負うので、必要に応じて買主が保険をかける。

④仕向地での輸入通関:買主が行う。

 (20191209)

          梱包  出荷積込 T搬入 T荷卸     輸出通関 船手配   保険手配 輸入申告 関税 現地配送 荷卸し

CPT Bangkok

(工場渡)

・積込後危険負担移転

(買)  買

CPT Bangkok

(ターミナル渡)

・車上で委ね危険移転

・売が荷卸手配

(買)

CIP (Carriage and Insurance Paid to)

運送形態に係らず使用可。

・輸送費保険料込み  CIP Thai Smile Factory Bangkok (配送先を特定して明記)

・CIFと似ている、といえば判りやすいだろう。ただし、CIFは在来船の場合に用いる。飛行機やコンテナ船ではこのCIPを用いる。

①危険負担

原文(英文)では、FCAの様に明快に場合分けして書かれていない。handing them (goods) over to the carrier と表現されているが、場合分けとしてはFCAと同様と解される。

・売主が、売主の敷地で貨物を運送業者に引き渡す場合は、売主自らが手配した運送業者の車に売主が積み込んだ時点で、危険負担が買主に移転する。 以降、万一事故があれば買主が保険求償等の手続きをおこなう。

・売主が貨物ターミナルへ搬入する場合は、売主が貨物ターミナルへ自ら選び、そこに売主が仕立てた車の上で荷卸しをしない状態で、貨物ターミナル側に貨物を委ねた時点で危険負担が買主に移転する。以降、万一事故があれば買主が保険求償等の手続きをおこなう。

②輸出通関:売主が輸出通関を行う。

③運送の手配や保険の手配

・売主が目的地までの運送の手配、運賃の支払いを行う。

・売主が必要な輸出許可その他公式の認可を取得する。

・売主が保険をかける。契約価格に保険料10%を加えてCIP価格とする。 

保険はICC(A)で付保する。 (CIFはICC(C)のまま~CIFは、ばら積み貨物に適しているから)

しかし、誰が保険のアレンジをするかということと、誰が危険負担するかということとは別。

事故に対する保険金請求は買主が行う。つまり、保険の手配者と保険金請求者が異なる。

 

④仕向地での輸入通関:買主が行う。

⑤仕向け地によっては自国の保険業を保護育成するために、自国向け貨物の保険は自国の保険会社でなければならない、としている国がある。この場合はCPT建てが望ましい。

 (20191209) 

          梱包  出荷積込 T搬入 T荷卸     輸出通関 船手配   保険手配 輸入申告 関税 現地配送 荷卸し

CIP Bangkok

(工場渡)

・積込後危険負担移転

売主 売主  買

CIP Bangkok

(ターミナル渡)

・車上で委ね危険移転

・売主が荷卸手配

売主

DAP (Delivered At Place)

運送形態に係らず使用可。

仕向地持込渡し。 DAT Thai Smile Factory Bangkok (配送先を特定して明記)

・仕向け地で売主が荷卸しをしないで引渡しを行うまでの費用とリスクを輸出者が負担。

・輸入通関、関税は買主負担。

①危険負担
・売主は売主・買主が合意した仕向地国内の指定場所において、車上渡し(荷卸をしないで)買主にその処分を委ねた時点で危険負担が買主に移転する。荷卸し費用は含まれない。

・荷卸しをして引き渡すのであればDPUを使用する。

②輸出通関:売主が輸出通関を行う。

③運送の手配や保険の手配

・仕向地国内の指定場所までの運送は売主が手配する。しかし、売主は仕向地での輸入通関や輸入税の支払いを行う義務はない。

・売主買主とも付保の義務は無いが、危険負担は指定場所での車上渡し時に買主に移転するので、航海途中や仕向地の車上で買主の処分に委ねる前に発生した貨物の損害に対して、通常は売主が自分のために付保するであろう。また、買主は引き渡しを受けた以降の部分について付保するであろう。

④仕向地での輸入通関:買主が行う。

 (20191206)

    梱包  出荷積込 T搬入 T荷卸     輸出通関 船手配   保険手配

輸入

申告

関税 現地配送 荷卸し

DAP

(売)

 買

・車上で委ね

危険移転

DPU (Delivered at Place Unloaded)

運送形態に係らず使用可。

・荷卸込持込渡し  DPU Thai Smile Factory Bangkok (配送先を特定して明記)

・仕向け地で売主が貨物を荷卸しして引渡しを行うまでの費用とリスクを売主が負担。

・輸入通関、税金は買主が負担。

①危険負担
・売主が指定仕向け地までの運送を手配し、船やトラック等の運送手段から売主が荷物を降ろして地面に置いて(つまり荷卸費用は売主負担)、買主の処分に委ねたときに、危険負担が買主に移転する。

・2010年版のDATでは「ターミナル」での荷卸しを前提としていたが、2020年版ではターミナルに限定していない。売主は指定仕向け地で荷卸しの手配をすることができる業者がいるか、荷卸し設備があるかを事前に確認しておくべきである。

②輸出通関:売主が輸出通関を行う

③運送の手配や保険の手配

・売主が目的地までの運送の手配・支払いを行う。

・売主買主とも付保の義務は無いが、危険負担は指定場所での荷卸し後に買主に移転するので、航海途中や仕向地で荷卸しして買主の処分に委ねる前に発生した貨物の損害に対して、通常は売主が自分のために付保するであろう。また、買主は通常は引き渡しを受けた以降の部分について付保するであろう。

④仕向地での輸入通関:買主が行う。

(20201117)

          梱包  出荷積込 搬入 荷卸     輸出通関 船手配   保険手配 輸入申告 関税

指定場所まで運送

指定場所

での荷卸し

現地配送

DPU

(売)  買

・荷卸して危険移転

DDP (Delivered Duty Paid)

運送形態に係らず使用可。

・関税込み持込渡し。 DDP Thai Smile Factory Bangkok

・輸入地の通関や関税も売主が負担。

①危険負担

売主は買主の指定場所において、車上渡しで(荷卸をしないで)買主にその処分を委ねた時点で危険負担が買主に移転する。荷卸しは買主。

②輸出通関:売主が輸出通関を行う。  

③運送の手配や保険の手配:

・仕向地国内の指定場所までの運送は売主が手配する。

売主買主とも付保の義務は無いが、危険負担は指定場所での車上渡し時に買主に移転するので、航海途中や仕向地の車上で買主の処分に委ねる前に発生した貨物の損害に対して、通常は売主が自分のために付保するであろう。また、買主は引き渡しを受けた以降の部分について付保するであろう。

売主は仕向地での輸入通関や輸入税の支払いを行う。DDPは売主にとって一番負担の大きい条件である。

⑤現地での荷卸し:買主

(20240414)

    梱包  出荷積込 T搬入 T荷卸     輸出通関 船手配   保険手配 輸入申告 関税 現地配送 荷卸し

DDP

(売・買)

・車上で委ね

危険移転

FAS (Free Alongside Ship)

在来船による運送時に使用する。

・船側渡し

・貨物がコンテナに入っている場合は、ターミナルでの引渡しが通常であるから、FCA条件によるべき。

・輸出国側で貨物の引渡しを行う「積地売買」。

①危険負担

売主が、埠頭やはしけによって、買主が指定した本船に貨物を横付け alongside した時点で危険負担が売主から買主に移転する。

②輸出通関:売主が行う。

③運送の手配や保険の手配

・横づけまでは売主が手配。本船は買主が手配。

・売主買主とも付保の義務は無いが、危険負担は本船横づけ時に買主に移転するので、それまでに発生した貨物の損害に対して、通常は売主が自分のために付保するであろう。また、買主は引き渡しを受けた以降の部分について付保するであろう。

④原則、本船手配は買主が行うのでB/Lは買主が入手することとなる。これではL/C決済で売主がB/Lを入手できない。売買契約時に買主と合意した上で売主自身が買主の費用で本船手配する旨の記述はあるが、FCAの様にB/Lを売主宛に発行するよう買主が船会社に指示する義務はFASには定められていない。

⑤仕向地での輸入通関:買主が行う。

(20191206)

    梱包  出荷
積込
T搬入 本船横付け  輸出通関 船手配   保険手配 輸入申告 関税 現地配送 荷卸し

FAS

・横付けで
危険移転

(売・買)

FOB (Free On Board)

在来船による運送時に使用する。

・本船渡し

・売主が合意期日/期間内に、買主に指定された船積港で、買主が指定した本船の船上に物品を置いて引き渡す。

貨物がコンテナに入っている場合は、ターミナルでの引渡しが通常であるから、FCA条件にすべき。

・輸出国側で貨物の引渡しを行う「積地売買」。

 

①危険負担

・売主が、買主が指定した本船の甲板に貨物を置いた時点で危険負担が売主から買主に移転する。

・「本船」渡しだから、沖合の本船まではしけで運んで、はしけから本船に積み替えて本船の甲板に置かれるまでは売り主の危険負担ゆえ、輸出FOB保険を掛ける必要がある。

②輸出通関 : 売主が行う。物品の輸出に必要な許可その他の公式な認可も売主が取得する。

③運送の手配や保険の手配 : 買主が行うのが原則だが、売主買主合意の場合は、売主がFreight Collectで運送契約を行い、B/Lも売主が入手する。

④仕向地での輸入通関:買主が行う。

(20191209)

    梱包  出荷
積込
T搬入 本船積込 輸出通関 船手配   保険手配 輸入申告 関税 現地配送 荷卸し

FOB

・甲板に置いて
危険移転

(買)

CFR (Cost and FReight)

在来船による運送時に使用。

・運賃込み

・いわゆるC&Fだが、1990年版INCOTERMS以降CFRと表示されている。

・貨物がコンテナに入っている場合は、ターミナルでの引渡しが通常であるから、CPT条件にすべき。

・輸出国側で貨物の引渡しを行う「積地売買」。
①危険負担
売主が、売主が手配した本船の甲板に貨物を置いた時点で、危険負担が売主から買主に移転する。

②輸出通関

売主が行う。

③運送の手配や保険の手配

・売主が目的地までの運送の手配、運賃の支払いを行う必要がある。Freight Prepaid

・保険については、引渡し後の危険負担は買主が負うので、必要に応じて買主が手配する。

④仕向地での輸入通関は買主が行う。

(20191209)

    梱包  出荷
積込
T搬入 本船積込 輸出通関 船手配   保険手配 輸入申告 関税 現地配送 荷卸し

CFR

・甲板に

置いて
危険移転

(買)

CIF (Cost, Insurance and Freight)

在来船による運送時に使用。

・運賃保険料込み

・貨物がコンテナに入っている場合は、ターミナルでの引渡しが通常であるから、CPT条件によるべき。

・輸出国側で貨物の引渡しを行う「積地売買」。
①危険負担:売主が売主自らが手配した本船の甲板に貨物を置いた時点で、危険負担が買主に移転する。

②輸出通関:売主が行う。

③運送の手配や保険の手配:売主が目的港までの運送Freight Prepaid、保険の手配・支払いを行う。

・インコタームズ上は、売主は契約金額の110%をICC(C)で付保する。(CIPはICC(A))

誰が保険のアレンジをするかということと、誰が危険負担するかということとは別。

事故に対する保険金請求は買主が行う。つまり、保険の手配者と保険金請求者が異なる。

④仕向地での輸入通関:買主が行う。

(20191209)

    梱包  出荷
積込
T搬入 本船積込 輸出通関 船手配   保険手配 輸入申告 関税 現地配送 荷卸し

CIF

・甲板に

置いて

危険移転

売 

細かな費用分担

 

インコタームズでは、THCなど具体的な個別の詳細費用細の分担に関しては定めていない。
売主・買主の間で個別に決め、文書にしておくことが無難。
運送業者は結果的に規定の運賃、諸費用が全て回収できれば良いので、売主、買主どちらが払おうが問題ない。場合によっては双方に二重に請求してくることもある。