外為法令の建付けは、原則として世界全域が輸出許可の対象地域とされ、そこから例外を設ける形で輸出許可が不要な国や輸出許可が不要なケースを定めるという制度になっている。
例外的な扱いの一つとして、輸出貿易管理令第4条では「外為法第48条第1項 の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。」として、いわゆる「特例」を定めている。
ただし武器(輸出貿易管理令別表第1の1の項)には、特例は適用されない。
また、特例が利用できる場合は輸出許可は不要であるので、包括許可は適用できない。
輸出貿易管理令
第4条 (特例)
法第48条第1項 の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
ただし、別表第一の一の項の中欄に掲げる貨物(=武器)については、この限りでない(ので、許可が必要)。
一 仮陸揚貨物のうち...
二 イ 船用品
ロ 飛行機部品
ハ JICA資材
ニ 公用貨物
ホ 無償で輸出すべきものとして無償で輸入した貨物であつて、経済産業大臣が告示で定めるもの
ヘ 無償で輸入すべきものとして無償で輸出する貨物であつて、経済産業大臣が告示で定めるもの
三 キャッチオール
(キャッチオールも法令の建付け上は特例の一種だが、一般的には独立して「キャッチオール規制」として論じられている。)
イ 16の項の貨物が核開発用途に使われるおそれ、需要者が核開発してるおそれ→核兵器開発等省令
ロ 上記の恐れアリと経産省からInform
ハ 16の項の貨物が1の項(通常兵器)開発用途に使われるおそれ→通常兵器開発省令
ニ 上記の恐れアリと経産省からInform
四 少額特例 5の項~13の項、15の項
無償告示
通商産業省告示第746号
平成12年12月18日
最終改正 経済産業省告示第10号
令和2年1月20 日
輸出貿易管理令第4条第1項第二号のホ及びヘの規定に基づく経済産業大臣が告示で定める無償で輸出すべきものとして無償で輸入した貨物及び無償で輸入すべきものとして無償で輸出する貨物
(無償告示)
一 無償で輸出すべきものとして無償で輸入した貨物
1 修理特例 本邦から輸出された貨物であって、本邦において修理された後再輸出されるもの
メモ:
・つまり日本から輸出した貨物が故障したので一旦日本に戻して修理し、再度輸出する際には輸出許可不要。
・ 「イ(核兵器等用途・需要者)、ロ(核兵器等inform)、ハ(通常兵器用途)、ニ(通常兵器inform)」要件に該当した場合でも、修理特例は適用できる。(不可の旨の言及ない。)
輸入した貨物が故障して修理のために輸出する際は無償告示は適用されない。
・運用通達4-1-2(5)(イ) 「本邦から輸出された貨物であって、本邦において修理された後再輸出するもの」とは、本邦から輸出した貨物を本邦において修理するために輸入し、修理完了後当該貨物の本邦への輸出者に再輸出するものであって、修理した貨物が本邦から輸出したときの仕様から変更のないものをいい、修理には1対1の交換を含むものとする。なお、当該修理が無償か有償かを問わないものとする。
2 本邦において映画を撮影するために入国した映画製作者が輸入した映画撮影用の機械及び器具
3 本邦において開催された博覧会、展示会、見本市、映画祭その他これらに類するものに外国から出品された貨物であって、当該博覧会等の終了後返送されるもの(輸出貿易管理令別表第4に掲げる地域(特定地域)以外の地域から輸入された貨物であって、特定地域を仕向地として返送されるものを除く。)
(メモ:海外の展示会に出展し日本に戻す場合は無償でも輸出時に許可必要。)
(別表第四(第四条関係) イラン、イラク、北朝鮮)
4 保税展示場で開催された国際博覧会、国際見本市その他これらに類するものの運営又はこれらの施設の建設、維持若しくは撤去のために必要な貨物であって、当該国際博覧会等の終了後返送されるもの(特定地域以外の地域から輸入された貨物であって、特定地域を仕向地として返送されるものを除く。)
5 ATAカルネ(通関手帳)により輸入された貨物であって、通関手帳により輸出されるもの
6 一時的に入国して出国する者が携帯し、又は税関に申告の上別送する輸出貿易管理令別表第1の9の項の中欄に掲げる貨物であって、本人の使用に供すると認められるもの
7 一時的に入国して出国する者が携帯し、又は税関に申告の上別送する輸出貿易管理令別表第1の12の項の中欄に掲げる貨物であって、貨物等省令第11条第十三号に該当するもののうち、本人の使用に供すると認められるもの
8 他の貨物を運搬するために使用される貨物として輸入した一定の貨物であって、輸入した後返送のため輸出するもの(特定地域を仕向地として輸出する貨物を除く。)
9 本邦において原子力災害等の災害が発生した場合における援助の用に供するため外国政府、国際機関等から輸入した貨物であって、当該援助の終了後返送のために輸出するもの
二 無償で輸入すべきものとして無償で輸出する貨物
1 国際緊急援助隊の貨物であって、当該業務の終了後本邦に輸入すべきもの
2 原子力事故又は放射線緊急事態の場合における援助に関する条約に基づく援助の用に供するために援助を要請する締約国に輸出される資材又は機材であって、当該援助の終了後本邦に輸入すべきもの
3 国際協力機構が派遣する専門家が行うものの用に供するために輸出される貨物であって、当該技術協力の終了後本邦に輸入すべきもの
4 国際間海底ケーブルの障害復旧及び障害防止のために輸出する復旧機材並びに修理船及びケーブル陸揚局で用いる機器類であって、当該障害復旧作業及び障害防止作業の終了後本邦に輸入すべきもの
5 一時的に出国する者が携帯し、又は税関に申告の上別送する輸出貿易管理令別表第1の9の項の中欄に掲げる貨物であって、本人の使用に供すると認められるもの
6 一時的に出国する者が携帯し、又は税関に申告の上別送する輸出貿易管理令別表第1の12の項の中欄に掲げる貨物であって、貨物等省令第11条13号に該当するもののうち、本人の使用に供すると認められるもの。
(メモ:運用通達4-1-2(5) (ト)同告示第二号5及び6に規定する「一時的に出国する者」とは、外国における滞在期間が家族を伴っている場合は、1年未満、その他の場合は、2年未満の予定で出国する者(一時的に入国して出国する者及び船舶又は航空機の乗組員を除く。)をいう。)
(6メモ:したがって例えば輸出例別表第1の12の号に該当する水中カメラ(貨物等省令第11条第5号に該当)は自己使用目的でも、国外持ち出し時に輸出許可必要。)
7 別表第1の2の項の中欄に掲げる貨物であって貨物等省令第1条二十二号ロ(四)に該当するもの、
同表の3の項の中欄に掲げる貨物であって貨物等省令第2条第2項第二号若しくは第七号に該当するもの又は
同表の5の項の 中欄に掲げる貨物であって貨物等省令第4条第二号イに該当するもの
のうち、他の 貨物を運搬するために使用される貨物として輸出する貨物であって、輸出した後輸 入すべきもの(特定地域を仕向地として輸出する貨物を除く。)
(7メモ: 他の貨物を運搬するために使用される貨物として輸出する一定の貨物であって、輸出した後輸入すべきもの。通い容器など)
三 (キャッチオールも法令の建付け上は特例の一種だが、一般的には独立して「キャッチオール規制」として論じられている。)
別表第一の16の項に掲げる貨物(外国向け仮陸揚げ貨物を除く。)を同項の下欄に掲げる地域を仕向地として輸出しようとする場合であつて、次に掲げるいずれの場合にも(別表第三の二に掲げる地域以外の地域を仕向地として輸出しようとする場合にあつては、イ、ロ及びニのいずれの場合にも)該当しないとき。
イ その貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合として経済産業省令で定めるとき。
ロ その貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがあるものとして経済産業大臣から許可の申請をすべき旨の通知を受けたとき。
ハ その貨物が別表第一の一の項の中欄に掲げる貨物(核兵器等に該当するものを除く。ニにおいて同じ。)の開発、製造又は使用のために用いられるおそれがある場合として経済産業省令で定めるとき。
ニ その貨物が別表第一の一の項の中欄に掲げる貨物の開発、製造又は使用のために用いられるおそれがあるものとして経済産業大臣から許可の申請をすべき旨の通知を受けたとき。
少額特例
・本来は輸出許可が必要な場合でも、輸出価格が一定額以下の場合、輸出許可を得ずに輸出することができる。
・対象となる貨物、仕向け地に制約がある少額特例は要件を満たしている場合に自動的に適用される。ただし、輸出通関をする際の輸出申告書に、少額特例適用の旨を表示して申告する必要があるので、少額特例該当品がある旨、通関業者に連絡する必要がある。
・少額特例が利用できる場合は、特一を適用することはできない。
(輸出貿易管理令第4条第1項第4号)
四 別表第一の5から13まで又は15項の中欄に掲げる貨物であつて、総価額が100万円(別表第三の三に掲げる貨物にあつては、5万円)以下のもの(外国向け仮陸揚げ貨物を除く。)を別表第四に掲げる地域以外の地域を仕向地として輸出しようとするとき(別表第三に掲げる地域以外の地域を仕向地として輸出しようとする場合にあつては、前号のイ、ロ及びニのいずれの場合にも(別表第三の二に掲げる地域(イラク及び北朝鮮を除く。)を仕向地として輸出しようとする場合にあつては、同号のイからニまでのいずれの場合にも)該当しないときに限る。)。
(METI Q&A) この「総価額」は、個々の貨物の価格ではありません。1回の輸出契約ごとに対して、その輸出貨物のうち輸出許可の対象となる貨物を輸出貿易管理令の別表第1の各項のカッコごと(例えば「7項(4)」「10項(7の2)」などのそれぞれ)に区分けしたものを「総価額」として、少額特例が適用されることになります。したがって、1件の輸出の中で、輸出許可を必要とする貨物の輸出と少額特例により輸出許可が不要となっている貨物の輸出がまとめて行われることもあります。
(メモ) 例えば契約総額が200万円で、4回に分けて均等に船積みするから1回の船積み金額は50万円だからといって、小額特例が適用できるわけではない。
(1)貨物と金額
① 貨物
別表第一の5から13まで又は15項の中欄に掲げる貨物か?
↓Yes
② 金額
1契約当たりの(該当品の)契約金額が100万円以下か?
(別表3の3の「告示貨物」の場合、1契約あたりの(該当品の)契約金額が
5万円以下か?)
↓Yes
(2)仕向地・用途・需要者
5~13(100万円) 告示 (5万円) |
A |
BC (一般国) |
D (国連武器禁輸国) |
別表第三の二 に掲げる地域 イラク・北朝鮮 |
|
イ | 大量破壊兵器 |
少額特例 利用可 |
①用途該当 :許可必要 ②需要者該当:許可必要 |
①用途該当 :許可必要 ②需要者該当:許可必要 |
少額特例不適用 |
ロ |
Info | - | 許可必要 | 許可必要 | |
ハ | 通常兵器 |
少額特例 利用可 |
少額特例利用可 | 用途該当:許可必要 | |
二 | Info | - | 許可必要 | 許可必要 |
グループA国向けは、少額特例使用可。
グループBC国(一般国)向けは、通常兵器の用途有無を確認。
グループD国向け(国連武器禁輸国)向けは、大量破壊兵器用途・需要者、通常兵器の用途を確認。
イ その貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれありと経済産業省令で定めるとき。
ロ その貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれありと経産大臣からインフォームを受けたとき。
ハ その貨物が通常兵器の開発、製造又は使用のために用いられるおそれありと経済産業省令で定めるとき。
ニ その貨物が通常兵器の開発、製造又は使用のために用いられるおそれありと経産大臣からインフォームを受けたとき。
(運用通達)1-1
(5)総価額の取扱い
輸出令第4条第1項に規定している「総価額」は次により取り扱う。
(イ)価額の全部につき支払手段による決済を要しない貨物の場合は、税関の鑑定価格をいう。
(メモ:実務上、税関は鑑定せず、通常の取引価格を自己申告することとなる。)
(ロ)価額の全部又は一部につき支払手段による決済を要する貨物の場合は、当該貨物に係る輸出貨物代金(輸出契約の履行により輸出者が取得する債権の総額(当該輸出者が当該債権の総額から当該輸出契約の履行に直接伴って負担する仲介手数料、代理店手数料、領事査証料、検数料その他の輸出に附帯する手数料の金額(その金額が妥当なものに限る。)を差し引いて受領する場合は、当該金額を差し引いた残額))をいう。
(メモ:同じ貨物でも、契約の建値がCPT 101万円なら許可必要、FCR 99 万円なら少額特例適用により許可不要。)
(注)① 「輸出契約の履行に直接伴って負担する仲介手数料、代理店手数料」は、当該輸出契約の内容に仲介手数料又は代理店手数料を支払うべきことに関する定めがある場合(いわゆるシングル・トランザクションの場合)における当該手数料に限るものとする。
② 「金額が妥当なもの」は、輸出に附帯する手数料の金額が、次に該当する場合とする。
イ 仲介手数料及び代理店手数料については、その合計額が当該輸出貨物代金の10%以内の金額である場合
ロ 仲介手数料及び代理店手数料以外の手数料については、その手数料の合計額が輸出貨物代金の5%以内の金額である場合
ハ 金利に相当するものについては、国際的に通常の取引条件と認められる範囲である場合
(運用通達)1-1
(6)総価額への換算
外国通貨又は電子決済手段等若しくはこれら以外のその他の財産的価値(動産及び不動産を含む。以下「その他の財産的価値」という。)をもつて決済される場合の当該外国通貨又は電子決済手段等若しくはその他の財産的価値と円との換算は、別に定める換算率による。
(以下この通達において総価額算定の場合における換算は、この換算率による。)
輸出令第4条第1項に規定している外国通貨の総価額の換算については、契約締結日の属する期間の換算率により行い、電子決済手段等又はその他の財産的価値の総価額の換算については、別に定める換算率による。
輸出貿易管理令、輸入貿易管理令及び外国為替令等に規定する円表示金額を算定する場合の換算の方法について
20220425貿局第2号(令和4年5月9日公布)
最終改正 20230512貿局第1号(令和5年5月26日公布)
輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号。以下「輸出令」という。)、輸入貿易管理令(昭和24年政令第414号。以下「輸入令」という。)及び外国為替令(昭和55年政令第260号。以下「外為令」という。)並びにこれらに基づく規定、並びに輸出入取引法に基く輸出の承認に関する省令(昭和30年通商産業省令第54号。以下「輸取省令」という。)において規定する円表示金額の換算方法は、令和4年5月10日以降、以下のとおり行うものとする。
1 輸出令及び輸入令並びにこれらに基づく規定並びに輸取省令(以下「輸出令等」という。)において規定する円表示金額の外国通貨への換算は、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号、以下「外為法」という。)第7条第1項の規定に基づき、財務大臣が日本銀行において公示する契約締結日の属する期間の基準外国為替相場及び裁定外国為替相場(以下「基準外国為替相場等」という。)を用いて行うものとする。(以下略)
https://www.boj.or.jp/about/services/tame/tame_rate/kijun/
(運用通達)4-1-4
輸出令第4条第1項第四号の解釈輸出令第4条第1項第四号の「総価額」として積算すべき貨物の範囲は、輸出令別表第1の各項の中欄のうち括弧毎の貨物とし、輸出令第4条第1項第四号に規定された条件は各々の総価額ごとに判断する。ただし、積算すべき貨物の範囲に輸出令別表第3の3に掲げる貨物とそれ以外の貨物が混在する場合にあっては、輸出令別表第3の3に掲げる貨物の積算額及びそれ以外の貨物の積算額を各々の総価額とする。
(メモ) 7の項(1)のA貨物80万円、B貨物50万円なら( ) ごとの合算で130万円となり、少額特例使用不可。 7の項(1)のA貨物80万円、7の項(2) C貨物50万円ならともに100万円以下なので、少額特例使用可。
・無償貨物の場合は、税関の鑑定額による。
・技術には少額特例は適用されない。
・別表第1の16の項の貨物がキャッチオール規制に引っかかった場合、その貨物が少額であっても少額特例は適用されない。
(運用通達で認めている特例)
部分品特例
・輸出しようとする貨物のごく一部に規制対象となる貨物が組み込まれている場合、そのごく一部の貨物自体はリスト規制貨物としては扱わない。(その、ごく一部の貨物を単独で出荷する場合は、リスト規制貨物となる。)
→輸出しようとする貨物自体が非該当で、その部分品に該当貨物があるとしても、それが主要な要素で無かったり、分離しがたい場合は、該当部分品も非該当として扱う。
→輸出しようとする貨物が1~15該当貨物で、さらにその部分品にも該当貨物がある場合、部分品としては主要な要素で無かったり、分離しがたい場合は、該当部分品は非該当として扱い親貨物と同時に輸出許可申請する必要はない。
運用通達 1-1-(7) 輸出令別表第1の中欄に掲げる貨物に関する輸出の許可
(イ) 輸出令別表第1の解釈
(中略)
輸出令別表第1の1から15までの項の中欄に掲げる貨物であっても、
他の貨物の部分をなしているものであって、
当該他の貨物の主要な要素となっていない又は
当該他の貨物と分離しがたいと判断されるものは、
以下の場合を除き、輸出令別表第1の1から15までの項の中欄に掲げる貨物のいずれにも該当しないものとして扱う。
(輸出令別表第1の8の項に掲げる貨物であって、貨物等省令第7条において「他の装置に内蔵されたもの」とされている場合を除く。)
① 輸出令別表第1の1の項(3)若しくは(13)に掲げる貨物、又は、2の項(3)に掲げる貨物であって貨物等省令第1条第三号に該当するもの
若しくは4の項 (6)に掲げる貨物であって貨物等省令第3条第七号に該当するものが、
当該他の貨物に混合されている場合→輸出許可必要
② ①以外の貨物であって、当該貨物が当該他の貨物に混合されていてその主要な要素となっており、当該他の貨物がその状態で当該貨物の用途に用いることができる場合→輸出許可必要
(注1) 他の貨物の部分をなしているとは、ある特定の他の貨物の機能の一部を担っており、かつ、当該他の貨物に正当に組み込まれ又は混合された状態をいう。この場合 であって、出荷に際し、輸送上の理由等により暫時分離するものについては、他の貨物の部分をなしているものと判断される。
また、他の貨物が機能するために 全く必要のないものや、通常の出荷時とは異なる過剰なスペックのものを取り付ける等、正当に組み込まれ又は混合されたものでない場合においては、他の貨物 の部分をなしているものと判断されない。
(注2) 他の貨物の主要な要素となっているか否かについては、量、価額などを考慮して判断するものとする。組み込まれ又は混合されている貨物の価額(輸出令別表第1 における項の番号の下の括弧レベル毎に貨物を分類し、組込先又は混合先の他の貨物の中に同一の分類となる複数の貨物が含まれる場合には、それらを合計す る)が組込先又は混合先の他の貨物の価額の10%を超えない場合(10%ルール)、組み込まれ又は混合されている貨物は組込先又は混合先の他の貨物の主要な要素となっていないと判断される。価額は、初期製造時の市場価格を元に判断することを基本とする。
(メモ:リスト規制非該当の本体Aに、リスト規制該当の部品Xを組み込む場合、本体Aの製造時の価格が分母、部品Xの組込み時の価格(購入価格、輸入品の場合は実際支払額)が分子となる。部品Xがかなり以前から販売されていて、本体Aへの組込み時には価格がこなれている場合は、組込み時のこなれた価格を分子とすればよい。)
(注3) 電子部品にあっては、半田付けの状態にある場合には、他の貨物と分離しがたいと判断される。
35%ルール (輸出令別表第1中解釈を要する語)
他の装置に内蔵されている電子計算機又は附属装置の購入価額が当該装置の販売価額の35%を超えることをいう。