輸入通関

保税地域

(1) 指定保税地域:1か月以内

(2) 保税蔵置場:3か月間 税関長の倉入れ承認で最初に承認された日から2年間

(3) 保税工場:

外国原料を保税工場で使用するには「移入(うつしいれ)承認」要。

(4) 保税展示場

(5)総合保税地域:保入承認の日から2年間

 

税関長による「収容」、収容後4か月経過で公売

公売の買受人は「輸入(納税)申告」不要。

 

輸入(納税)申告

(1) 貨物の原産地、積出地、仕出人(Shipper)の名称・住所を申告。

①NACCS

②口頭申告:旅客や乗組員の携帯品

③「荷卸コンテナ一覧表」を税関長に提出→輸入申告されたとみなす。

④ATAカルネにより一時輸入される商品見本→輸入申告書不要

⑤課税価格が1品目CIF20万円以下の場合(AWBやInvoiceで代用)

⑥輸入品の原産地表示は法的義務ではない。

cf. JAS法により、輸入生鮮食品に関し、輸入先国表示義務付け。

⑦輸入年月日の表示は特に義務付けられてはいない。

⑧輸入貨物の審査・検査

 

(2)  通常の輸入   

輸入者が自ら行う輸入申告は保税地域搬入後に、その保税地域を管轄する税関長(*)に行い、輸入許可も保税地域搬入後。【保税地域搬入主義】

保税地域搬入主義の例外:本船扱い、輸入貨物到着即時許可扱い

(* 通関業者に依頼する場合は、輸入(納税)申告をいずれかの税関長に対しても行える。)

(*ワシントン条約動植物の特例輸入は財務大臣指定の税関長に限る。)
 

(3) 輸入の許可 Import Permit

輸入許可がされない場合

①輸入禁制品

②他法令により許可、承認が必要なのにそれが無い。

③虚偽の原産地記載→消すか訂正しないと関税法上輸入が認められない。

④関税が未納付

(関税未納付でも輸入許可がされる場合:)

・納期限の延長について税関長の許可有り。輸入許可の日から最長3か月間

・特例申告:特例輸入者の場合や、認定通関業者に輸入通関依頼の場合。引取り申告と納税申告を分けて行う。

 

 

特例輸入者  (輸入では特、という。)

① 特例輸入者制度は、セキュリティー管理とコンプライアンスの体制が整備された者としてあらかじめいずれかの税関長の承認を受けた輸入者(特例輸入者)が、輸入申告と納税申告を分離し、納税申告の前に貨物を引き取ることや輸出入申告官署の自由化を利用した輸入申告が可能となる制度。(税関HPより)
輸入申告と納税申告を別々に行う
輸入申告を「引取り申告」といい、納税申告を「特例申告」という。
特例輸入者が行う引取申告はいずれかの税関長(*)に対して(外国貿易船の船長が積み荷に関する事項を税関に報告後、貨物が日本に到着前に)保税地域搬入前に行え、輸入許可も保税地域搬入前に出される。(貨物が奔放到着前に輸入許可が下りている。→到着と同時に貨物を引取れる。)
③ 納税申告(特例申告)は輸入許可後に、輸入許可の日の属する月の翌月末までに、輸入申告を行った税関長に対して行う。(税金の法定納期限も同じ。)
(*ワシントン条約動植物の特例輸入は財務大臣指定の税関長に限る。)
特例委託輸入者
①輸入申告は保税地域搬入前
②輸入許可は保全地域搬入後

③ 納税申告(特例申告)は輸入許可後に、輸入許可の日の属する月の翌月末までに、輸入申告を行った税関長に対して行う。(税金の法定納期限も同じ。)  期限までに特例申告ない場合は税関長が関税額を「決定処分」して確定・

BP承認(輸入許可前貨物の引取り承認)

前提:申告納税方式の貨物のみ、輸入(納税)申告後に行う。

①新規輸入品で税関での課税標準審査に時間がかかる等やむをえない事由により、輸入許可が遅延する場合。

輸入許可前に関税額相当の担保を提供し、当該貨物の輸入許可申告をした税関長の承認を得て、貨物引取りを行う。後日の調整を「更正」という。

②至急引き取る必要がある貨物

③原産地証明書等必要書類の提出が遅れる場合。

(4) 関税の納付→関税の項参照。

輸入申告価格に含まれるもの

輸入到着までの運賃

輸入申告価格に含まれないもの

陸揚げ後のTHC, CFS Charge, CY Charge (ちなみに貨物が輸入許可後内貨になるまでは消費税は課税されないため、これらは消費税対象外。)

外貨から内貨する船会社のDocument Charge 、Delivery Order Charge は消費税対象。

(20170226)

 

みなし内国貨物

関税法第74条 外国貨物で(中略)第84条第1項から第3項まで(収容貨物の公売又は売却等)の規定により売却され(中略)たものは、(関税法)の適用については、輸入を許可された貨物とみなす。

cf 関税法第84条 収容された貨物(*)が最初に収容された日から四月を経過してなお収容されているときは、税関長は、政令で定めるところにより、公告した後当該貨物を公売に付することができる。

(*) 例えば輸入関税を払わないまま保税蔵置所に置かれた貨物。

(4) 簡易申告制度

①予め税関長の承認を受けた特例輸入者

承認審査には社内コンプライアンス規定も提出する。

②取り扱い貨物の指定や、継続輸入の指定は無い。

③一定の場合(加算税をかせられた場合や、格付けA以外、当座比率100%以上かつ自己資本比率30%以上ない場合など)は担保を提供する。

引取申告と納税申告とを分離。

④貨物が到着する前でも輸入申告可。輸入の許可は貨物到着後。

④関税未納付でも輸入許可。→納税は輸入許可の翌月末日までにすれば良い。納税申告は1件ごとで無く、まとめて行ってよい。

 

(5) 輸入申告における予備審査制度

①すべての貨物が対象

②貨物が日本に到着する前や食品輸入届などの輸入関連手続きの終了前であっても、予備審査書類を税関に提出して、税関の審査・検査要否の事前通知を受けることができる制度。

③ 輸入申告予定日の最大11日前から:輸入申告予定日における外国為替相場(輸入申告書に円でのCIF価格を記載するために、税関から指定される一定の換算相場)が公示された日、または、予備申告を行おうとする貨物の船荷証券もしくはAir Way Billが発行された以降の日のいずれか遅い日。

(税関の公示換算率は毎週火曜日に公表され、次の日曜日から土曜日まで適用されるから。)

 

(6) 到着即時輸入申告扱い(予備審査制を利用した輸入申告が行われた貨物の内)

(要件)

①輸入される貨物を本邦に迅速に引き取る必要がある。

②かつ、貨物の性質その他を勘案して取締上支障ないと認められる。

③Air Cargoに限らず、海上貨物も可

④貨物の到着が確認され次第、輸入申告を行えば直ちに輸入許可となる。

 

 (7) 輸入令上の許認可不要→直接税関に対して輸入申告

①総価額500万円以下

②FOC見本宣伝物品

③日本漁船の外国採捕水産物

④携帯品

⑤仮陸揚げ貨物