貿易金融の電子化
1. 背景
B/Lの危機、国際的なサプライチェーンから、貿易書類のペーパーレス化が検討されている。
2. TEDI : 日本版の貿易金融電子化サービス。
3. Bolero : ヨーロッパ版の貿易金融電子化サービス。船荷証券自体の電子化を図る。
Bolero規約への同意や費用が高額なため、あまり普及していない。
4. TSU(Trade Service Utility)
輸入者、輸出者の銀行がそれぞれ取引書類を入力したデータが電子的にマッチングすると、銀行間での決裁が行われる仕組み。
・輸入者と輸出者とで売買契約が成立
・輸入者が契約書を輸入者の取引銀行に提出、銀行はそのデータをTSUに登録する。
・輸出者も契約書を輸出者の取引銀行に提出、船積後にはTransport DataとしてインボイスやB/Lも輸出者の取引銀行に提出。銀行はそのデータをTSUに登録する。(なお、B/Lは元本を提出するが、銀行より返却されるので、輸出者がB/Lを輸入者に送る。)
・ 双方のデータがマッチングすると、銀行間での決裁が行われる。
・TSUをプラットフォームにしたBPO(Bank Payment Obligation) は、輸入者の銀行がその支払いを輸出者の銀行に保証する。この点L/Cの電子化に近い意味がある。
BPOは2013 年 4 月にURBPO(Uniform Rules for Bank Payment Obligations)として、ICC(国際商業会議所)のルールとなり2013年7月から運用が開始された。
・また、NIP (Notice of Intent to Pay) により、輸入者が支払いのトリガーを引く機能も付加されている。
・これにより、L/Cに基づくペーパーワークの削減や、決裁期間の短縮という輸出者のメリットがある。
一方、輸入者は、納期短縮、少量発注による在庫削減というメリットが期待できる。
(20180926)